最近ゼミで紹介された「プラネタリ―・アーバニゼーション」という概念について調べているので、簡単にまとめて紹介します。ただし、僕自身あんまりちゃんと理解できていないと思われるので、何か間違え等あればご指摘ください。
参考にしたもの
・10+1「特集 プラネタリ―・アーバニゼーション─21世紀の都市学のために(全編)」
中でも特に、
「解題:プラネタリ―・アーバニゼーションを巡って」(原口剛・平田周)
「プラネタリ―・アーバニゼーション」(ニール・ブレナー…ハーバードのGSDの先生)
地球の都市化
プラネタリー・アーバニゼーションとは直訳すれば「地球の都市化」であるが、これの意味するところを一言で言うならば、地球上のあらゆる場所が都市と関連付けられたシステムの一部になっている、ということである。
都市はもともとは、農村などの非都市地域と対比される概念であった。集積することによる効率化や機会の増加作用のために、人口が集中する地域が都市であり、そうでないところが農村であった。このような意味での都市化を「高密度の都市化(Concentrated urbanization)」と呼ぶそうだ。
最近都市経済学の授業を受けているのだが、経済学の世界ではさまざまな種類の生産に関して集約した方がより生産効率がよくなるという基本式のようなものがある。また消費者にとっても、ある一定のところまでは集中すれば集中するほど、効用水準(同じ出費で得られる効果?)が上がることも示されており、どんどん高密化が進んできたのだ。(めっちゃ荒い議論ですみません。)
しかし、プラネタリ―・アーバニゼーションの考え方では、都市/農村の構図自体が誤りであるという。
ブレナーは都市のスケールが新たに創造・再編されているという。その背後にある、「都市的なものの内破と外破」の要因として次のような要因を挙げている。(こちらを参照)
①都市領域間の不鮮明化と再接合
高速道路や鉄道等の輸送網を手がかりとして、都市の中枢地域から様々な機能が郊外へと拡張・分散している。
②後背地の解体
都市近郊の後背地が、都市化やあるいは地球規模の都市ネットワークを促進するためのシステムの一部として再編成されつつある。
③野生地の終わり
手付かずの土地がもはやなくなりつつあり、何らかの開発の視線にさらされている。
このような変化が進みつつある今、単純に人口規模を線引きとした都市/農村の区分は無効化しつつあるという。むしろ、地球が全体的な一つのネットワーク化した都市となりつつあるというのがプラネタリ―・アーバニゼーションの主張である。こうした都市化をブレナーらは「広範囲の都市化(extended urbanization)」と呼んでいる。
こうした見通しから、ブレナーらは「都市」という思考・研究の枠組みを組み直す必要があるのではないかと訴えている。
ものすごくざっくりしたまとめだが、何かの参考になれば…。